攻殻の世界がやってくるなら今どういう製品を作るべきか。メガネに装着してウインクで撮影するカメラ「BLINCAM」の原点

2016/08/05 21:00

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攻殻機動隊の作品世界で描かれるテクノロジー、世界観を実現するために立ち上がった『攻殻機動隊 REALIZE PROJECT』。本プロジェクトのプロジェクト・マネージャー 高瀬 昇太が、自身がCEOを務める株式会社Blincamで未来を感じさせるガジェット「BLINCAM(ブリンカム)」を開発中です。

 

BLINCAMは、メガネに装着して“ウインク”で撮影するウェアラブルカメラ。子どもを抱っこしているとき、料理をしているとき、自転車に乗っているときなど両手が塞がっている状況でもウインクで写真が撮れるのが特長。撮った写真はアプリ経由で、スマートフォンに転送できるほか、アプリ経由でのSNS投稿や、micro USB端子経由で PC などに転送もできる予定です。

 

現在、クラウドファンディングで先行販売予約がはじまり、目標の1300%以上を達成し、今なお支援が伸び続けています。

2016年8月5日

*画像は「Makuake」のスクリーンキャプチャーです。2016年8月5日

 

攻殻機動隊にも影響を受けたという高瀬 昇太に話を聞きました。

 

ふとした瞬間を記録したい

 

——BLINCAMはどういうデバイスなんでしょうか?

 

高瀬:メガネに取り付けて、ウインクで撮影するウェアラブルカメラです。「子どもの自然な表情を逃さず残したい。ありのままの視界を脳裏に焼き付けるように残せる外部媒体が欲しい」と思って開発しました。

 

子どもやペットのふとした表情を写真に撮りたいって思っても、たいていスマホはポケットに入っていますし、カメラを準備していたら間に合いません。それに、スマホやカメラを向けちゃうとポーズを撮ったり、恥ずかしがったりして思ったような写真が撮れなかったりもします。

 

あと、お子さんやペットがいる方なら共感いただけると思うんですが、写真を撮りたいときって、抱っこをしてたりして両手が塞がってることも多いんです。

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そういうふとした瞬間を記録できるデバイスがなかったので、自分たちで作ろうと思いました。それで、働いていたジョンソン・エンド・ジョンソンを退職して、2015年7月に会社を設立しました。

 

——会社を退職して起業って思い切りましたね。

 

高瀬:思い切りました。僕は、スタートアップウィークエンドでファシリテーターをやっているのですが、自分自身がサラリーマンなことにずっとひっかかっていたんです。起業を決断したのは、そういうところも関係しています。

 

——カメラのシャッターをウインクにしたことと、メガネに取りつけることにした理由を教えてください。

 

高瀬:スポーツの観戦や、今だと花火大会などのイベント、子どもなどをスマホやカメラで写真や動画を撮るときに、スマホの画面ばっかり見ている方って多いですよね? 僕はあれがもったいないなぁと思っていて。だって、画面越しより、自分の目で見た方が絶対にいいですよね。

 

ですので、BLINCAMはメガネに取り付けて、見たままを撮れるようにしました。シャッターがウインクなのは、心が動かされた瞬間を撮れるようにしたかったからです。

 

ーーウインクでシャッターを切るのはどういう仕組みなのでしょうか?

 

高瀬: BLINCAMに搭載しているまばたきセンサーは、強くまばたき(ウインク)したときのこめかみの筋肉の動きを電波で感知しています(特許出願中)。なので、通常の軽いまばたきでは反応しません。強めにウインクするか、ウインクできない人は、両目を閉じてもらえばシャッターを切れます。もちろん、普段のまばたきでは反応しません。

 

攻殻の世界がやってくるなら、今どういう製品を作るべきか

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——攻殻機動隊 REALIZE PROJECTに参加したキッカケは何だったのでしょうか?

 

高瀬:ジョンソン・エンド・ジョンソンを退職したときに攻殻機動隊 REALIZE PROJECTの統括顧問である武藤さんから声をかけてもらいました。僕は、攻殻機動隊が大好きで、特に『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』と、『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』はもう50回ぐらい見ていると思います。

 

声をかけてもらったのが、ちょうど仕事を辞めてBlincamを創業した当時。まだ、業務量が多くないタイミングだったこともあり、即答で参加しました。昔から大好きだった作品に関われる、しかも、インキュベーションというシナジーの多そうな分野だったので、迷うことはありませんでした。

 

——攻殻機動隊から影響を受けたなどはありますか?

 

高瀬:多々あります。世界観は間違いなく影響をうけています。一ファンの発言になってしまいますが、そもそも近未来を描いている作品って、ガンダムをはじめたくさんありますよね。でも、「ガンダムってアレどうやって動かすの?」ってところや、人型である必要もきっとないと思うんです。夢はあるんですけどね。

 

攻殻機動隊はそういう意味で、ひたすら現実的です。近未来なんだけど、科学技術や政治、社会情勢も綿密で、「コレ、確かにあり得るよな」ってことが当たり前に展開している世界が面白かった。「ああいう世界になるんだったら、今どういう製品をつくっておくべきか?」という発想はありましたね。

 

とはいえ、現実的にはまだまだほど遠いので、その中で目をつけたのがインターセプターです。あの感じを実現したいと思ったのですが、残念ながらまだ電脳もなければ、脳に外部記憶装置を埋め込むこともできません。では、どういう形があるかなぁと思って考えていたことが、BLINCAMの原点かもしれません。

 

(後編へつづく)