-攻殻機動隊REALIZE PROJECT、本格始動- 「攻殻機動隊REALIZE PROJECT」プロジェクト説明会を開催

2015/06/15 21:40

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攻殻機動隊REALIZE PROJECT実行委員会は2015年6月12日、株式会社FreakOutイベントスペースにて本プロジェクトのマスコミ向け説明会を開催しました。本説明会は、攻殻機動隊の世界観実現に向けた事業を説明する「プロジェクト説明会」と、作品と現状との間にあるギャップをクリエイターや研究者が検討する「公開ブレスト」の2つに分けて行われました。

 

攻殻機動隊テクノロジー実現に向けた事業分野

攻殻機動隊REALIZE PROJECTは、『攻殻機動隊』に描かれている数々の近未来テクノロジーの実現可能性を追求するプロジェクトで、作品初出から25年になる2014年・秋より始動しています。本プロジェクトは過去2回(2014年11月/2015年3月)、日本の最先端技術を牽引する企業や大学、公共研究機関の研究者と、アニメ作品や映画として『攻殻機動隊』の世界観を表現したクリエイターが集い、作品の核となる「電脳(Cyber Brain)」「人工知能(Artificial Intelligence)」「義体(Cyborg)」などのテクノロジーについて、ディスカッションを重ねてきました。今回の「攻殻機動隊REALIZE PROJECT」プロジェクト説明会では、攻殻機動隊で描かれている「2029年」まで残り14年という状況を踏まえ、そのテクノロジーのリアルな実現に向け、より具体的な事業計画を発表しました。

 

攻殻機動隊 REALIZE PROJECT 実行委員会 実行委員長 石川光久(株式会社プロダクション・アイジー代表取締役社長)は、本プロジェクトの方向性について、「今の技術ではまだ実現できない攻殻機動隊のテクノロジーを、一緒に実現すること」と「攻殻機動隊の世界で描かれていないが、攻殻機動隊の世界を拡張するテクノロジーや事象を実現(リアライズ)すること」の2つを挙げ、本プロジェクトが攻殻機動隊の世界にただ寄り添うだけでなく、「作品と現実のテクノロジーが相互にインスパイアしながら、攻殻機動隊の世界観を現実に創り上げていくことを目指す」と述べ、事業計画を説明しました。
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攻殻機動隊REALIZE PROJECTの事業の核となるのは、次の4点です。

 

1.メディア事業

攻殻機動隊の世界観を構成する「電脳(Cyber Brain)」「人工知能(Artificial Intelligence)」「義体(Cyborg)」「機械(Robot)」「都市(Smart City)」の5要素を中心にしたコンテンツを取材・キュレーションし、公式WebサイトやFacebookで発信します。攻殻機動隊のテクノロジーにつながる最新研究の動向や、各メディアで取り上げられた攻殻機動隊関連のニュースのキュレーション、そして協力メディアとの連携企画タイアップにより、攻殻機動隊の世界観に関する実現度をお伝えしていきます。

 

■攻殻機動隊REALIZE PROJECT公式サイト
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2.インキュベーション事業(コンテスト/ハッカソン)

攻殻機動隊で描かれている近未来テクノロジーについて、攻殻機動隊の世界観をテーマにしたコンテスト・ハッカソンを実施し、“攻殻機動隊らし い”研究開発を行う個人や企業、団体の事業化を支援します。また、事業化の支援だけでなく、産学官連携を行い、大手企業の「休眠特許」の活用についても賛 同を募ります。
世界に誇る攻殻機動隊のようなコンテンツと、科学技術・近未来を想起させる国内企業とのコラボレーションは、まさに日本らしいプロジェクトであると考えています。
尚、コンテスト・ハッカソンは、協力企業として、株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ様に参画いただいております。

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3. アワード事業

攻殻機動隊を構成する「人工知能(AI)」「義体(サイボーグ)」「機械(ロボット)」「都市(スマートシティ)」「電脳(ネットワーク)」の5要素に関し、テーマごとに「攻殻機動隊らしい」研究・開発を展開している企業や団体・個人の活動を表彰します。中でも、個人やチームなどの一般参加部門では、攻殻機動隊の中でキーとなる都市の東京・神戸・福岡の各都市に対し、義体(サイボーグ)・電脳(ネットワーク)・都市(スマートシティ)を掛け合わせ、人材の発掘を行う「Hack the REALIZE」、チームや団体のコンテストを行う「Contest the REALIZE」、攻殻機動隊につながるプロダクトやサービスの事業化を支援する「Pitche the REALIZE」という3つのプログラムを提供し、攻殻機動隊の実現化をサポートします。
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4.プロジェクト・関連事業(事務局の事業や関連事業)

今回、攻殻機動隊の世界観を現実化する取り組みとして、事務局では2つの施策を紹介しました。1つは、国内初となる3D画像の高速スキャニングとアバター化を実現するフォトグラメトリー専用スタジオ「AVATTA」。写真家でAVATTAの運営・監修の桐島ローランド氏が登壇し、84台の一眼レフカメラを使用した3Dスキャン技術について説明しました。
もう1つは、攻殻機動隊 REALIZE PROJECT 事務局 技術顧問・国際公認投資アナリストの庄司真史氏が説明をした「攻殻グラフ」。攻殻グラフは、セマンティックネットワークに基づいて攻殻機動隊の世界の可視化を目指すプロジェクトとで、主要技術を「義体(サイボーグ)」、「機会(ロボット)」、「電脳(ネットワーク)」、「人工知能(AI)」「都市(スマートシティ)」の5つに大きく分類し、派生する要素も含め円(ノード)と線(リンク)を使い分かりやすく可視化しています。また、将来的には攻殻度評価やその他の値をベースとした数値をベースに係数化する「攻殻係数」と呼ばれる指標化も検討。攻殻機動隊の世界に出てくる様々な技術が、社会の発展に寄付するように支援すると話しました。
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第2部は「攻殻機動隊の世界の実現度」を、クリエイターと研究者で熱く論議

続く第2部では、攻殻機動隊の世界観実現に関し、現時点(2015年)でどの程度現実化されているのか/いないのかについて、クリエイターと研究者がディスカッションしました。登壇者は、『攻殻機動隊 S.A.C.』シリーズの監督・脚本を担当した神山健治氏と、『攻殻機動隊ARISE』シリーズの構成と脚本を手掛けた作家の冲方丁氏がクリエイター側として参画、対する研究者は、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の稲見昌彦氏と、准教授 南澤孝太氏。「義体(Cyborg)、機械(Robot)」「電脳(Cyber Brain)、人工知能(Artificial Intelligence)」「都市(SmartCity)」の3点についてディスカッションしました。
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クリエイターである神山氏と冲方氏は、原作者の士郎正宗氏が構想した世界観のリアリティ化を構想しつつも、一方で、スマートフォンの普及や、小型飛行探索機「ドローン」や掃除ロボット「ルンバ」といった、現在日常化しつつあるテクノロジーの進化に驚きを隠せないと発言。ただ、SF(サイエンス・フィクション)として、「フィクションの中でも、リアリティのあるガジェット、世界観を訴求することが重要」(神山氏・冲方氏)とし、今日現実のものとなっている家電ロボットなどのガジェットが、フィクションの中では扱いが難しいという状況を明らかにしました。
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対する研究者側の稲見教授、南澤准教授は、見た目や機能の分野で、人間と機械が近づくからこそ人間が感じる恐怖を表現した「不気味の谷」克服について発言。攻殻機動隊のテクノロジーが現実世界に投影される際の、人間側の拒否反応や恐怖感を示した上で、テクノロジーと人間が共存するための課題を明らかにしました。
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また、攻殻機動隊で描かれている電脳世界を実現するための「エネルギーシステム」についても議論が進みました。ディスカッションでは、研究者側が、デバイス(義体やロボット)が個々にデバイスを持つ「分散型」と、道路などベーシックなインフラそのものがエネルギーを供給する「インフラ一体型」を示唆し、攻殻機動隊の世界観実現に向け、現実との差は少ないことを示しました。

攻殻機動隊REALIZE PROJECTでは、作品を通じてより豊かで可能性がある将来の実現に向けて取り組むと共に、このテクノロジーの進化や発展について、マスコミの方々が公正な目を持って、評価・モニタリングし、テクノロジー発展の健全な成長を促すことを望んでいます。今後とも、公正な視点で本プロジェクトの取り組みを評価・モニタリングし、日本のテクノロジー発展の健全な成長と、その進化について率直なフィードバックをいただければ幸いです。
(本文了)

 

お問い合わせ:
攻殻機動隊REALIZE PROJECT事務局: info@realize-project.jp