2029年の義体を一部体感。「東京大学制作展エクストラ2015 グッバイ・マイ・ボディ」展参加。視覚や聴覚・感情をハックする作品で攻殻機動隊世界を検証

2015/07/27 08:00


東京大学は、7月10日〜13日に学生が自らの研究的な関心を元に表現に挑戦する「東京大学制作展エクストラ2015」を開催しました。テーマは「グッバイ・マイ・ボディ」。「身体」との「お別れ」と銘打ち、身体の限界を超えた未来について考えられた20作品が東京大学
本郷キャンパスに展示されました。
展示の中には、視覚や聴覚、感情までもハックするものも。2029年の義体・ロボットを検証すべく、攻殻機動隊 REALIZE PROJECT
編集部では、当展示を体感してきました。

 

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作品は東京大学 本郷キャンパスの工学部2号館2Fの屋外と展示室に展示されていました。まずは屋外のレポートから。

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Eye See

片山健作

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監視カメラに人間性を持たせた作品。人は他人の眼の向きを「視線」として敏感に感知できることに着目し、監視カメラに眼を持たせることで、人は「視線」を感じることができるかを問うているとのこと。
監視カメラの中に入っているロボットを動かす技術はJSK研究室(情報システム工学研究室)のもの。将来的には画像認識する計画もあるそうです。

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(作品を作った片山氏)

 

結印

堀智貴作

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人間の能力を拡張させる試みとして、手でできることを増やそうと考えた作品。画面に表示された「印」を結ぶことで術を使えることができるというもの。ジェスチャーの認識にはリープモーションが使われていました。

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続いては、屋内の展示室。

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Sight

伏見遼平作

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Sightはカメラから入力した映像をリアルタイムに音に変換し聴くことができる、コンピュータビジョン技術と機械学習を応用したヘッドフォンの形を感覚拡張デバイス。「視覚は目がなくても体験できるのでは」との発想から生まれたデバイスで、カメラで撮った人やもの(視覚)を音(聴覚)に変換、耳で視覚の体験ができます。

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壁を見ると壁の画像のデータが音に変換され壁の音が聞こえてきます。伏見氏を見ると、水のような音が聞こえてきました。

 

Sightは先日、優れたプロジェクトや開発者に対して経済産業省が開発を支援する「未踏事業」に採択もされたプロジェクトとのこと。

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(作品を作った伏見氏)

 

ユビ・ツタワル・セカイ

岩崎翔作

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ボトルの先端に触れると、指を通じてボトルに詰め込まれた船旅を体験できます。ボトルの中には嵐の中を進むシーンなど船のシーンが3パターン存在しており、そのシーンに合わせて振動と音で状況を伝えられないか考えて作られたもの。ボトルのフタがスイッチになっており、LEDと音に合わせてバイブレーションを制御、ボトルキャップを触っている人だけが音が聞こえるように工夫もされていました。

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涙眼鏡

吉田成朗作

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何気ない日常風景の映像を見ているだけなのに不意に涙が流れてしまうと錯覚させられるエモーションハックを体験できる眼鏡。人は「悲しいから泣く」のか「泣くから悲しい」を考えさせられます。

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(涙眼鏡)

 

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(作品を作った吉田氏)

 

見られシューティング

榊原佑太作

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Oculus Riftを使ったシューティングゲーム。他のVR体験と違うのは、自分自身を見ながら操作して敵を倒すところ。視覚をハックされ、ゴーストと身体の分離したような不思議な感覚を体験できます。

 

BUG HUG

福嶋昭彦作

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人工筋肉や触覚を付与し、表面の荒い面や滑らかな面にくっつくことを可能にした小型のドローン。ドローンを飛ばすことではなく、着陸に焦点を絞った作品。5千円で買えるドローンキットの見た目を昆虫風に改造しており、ドローンに親しみを持てるように工夫もしているとのこと。

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a Piece of

池田昂平作
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手相をスキャンすることで手相と似た土地を世界地図から探して教えてくれる。自分の手のひらがネパールの山脈になったり、南アフリカの海溝になったりと手のひらを通して世界を感じられる作品。

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(作品を作った池田氏)

 

 

今回の「東京大学制作展エクストラ2015」は、11月に予定されている「第17回東京大学制作展」へ向けた前哨戦という位置づけ。今回の経験やフィードバックを活かしたものが11月に展示されるとのこと。11月の本番も楽しみです。

 

 

文・砂流恵介